ゼロ秒採用とは?書類選考と一次面接を任せられるAI面接ツール
執筆:佐藤こよみ(ゼロ秒採用 マネージャー)
この記事のポイント
- ゼロ秒採用は、書類選考と一次面接をAIに任せるツール。候補者は応募URLを開き、都合のよい時間に受験する
- 合否に関わるところでAIがするのは、書類の判定と評価づくりまで。画面の評価はA〜D・×の段階で、通過・採用・見送りは担当者が決める
- 応募が多く、担当者の手が足りない会社に向く。応募を集めることと二次面接から先は、これまでどおり社内に残る
書類選考と一次面接という選考の最初の2段を、人に代わってAIが進めるサービスが、株式会社GENESISのAI面接ツール「ゼロ秒採用(0秒採用)」です。候補者は会社から渡された応募URLを開き、履歴書の提出から面接の受け答えまでを、自分の都合のよい時間に済ませます。AIは書類と回答を求人の要件に照らしてまとめ、採用担当者はそれを読んで、次の面接に進めるかどうかを決めます。
名前を聞いて調べてみたものの、何をどこまで任せられるのかは分かりにくいかもしれません。この記事では、採用担当者がまず気にすることを、何をしてくれるのか、料金、候補者から見た受験、人が判断するところ、受け持たないこと、向いている会社、始め方の順に説明します。
ゼロ秒採用とは
ゼロ秒採用が受け持つのは、採用の工程のうち書類選考と一次面接です。二次面接と採用の判断は、これまでどおり社内の人が行います。
選考の中で、それぞれが何をするかを分けると次のようになります。
| だれが | すること |
|---|---|
| 採用担当者 | 求人ごとに採る人の基準と選考の中身を決め、応募URLを候補者に渡す。受験が終わったら評価を読み、通過・採用・見送りを選ぶ |
| 候補者 | 応募URLから、会社がその求人に入れたステップ(書類の提出と、会社理解・文章での質問への回答・録画面接・会社への質問のうち選ばれたもの)を、都合のよい時間に進める |
| AI | 書類がNG要件に当たるかを判定し、文章の回答の中身に応じて掘り下げの質問を返し、候補者の質問に答え、受験後に評価と要約をまとめる |
面接の日時を決めるやり取りがいらず、担当者が候補者一人ひとりと一次面接の時間を取る必要もありません。一次面接のあいだに担当者がするのは、AIがまとめた結果を読んで判断することです。
料金は次のとおりです。
AI面接ツール「ゼロ秒採用」は0円で使えます。初期費用・月額費用・成功報酬はかからず、受験者の人数にも上限はありません。詳しくは料金をご覧ください。
面接の手間を減らす使い方を、1つの場面に絞って見たいときは活用シーン「ゼロ秒面接」にまとめています。
主な機能は7つ
ゼロ秒採用の機能は7つあり、選考の前・最中・後のどこで使うかで分けると全体がつかみやすくなります。表の機能名から、それぞれの機能ページで画面を見られます。
| 使う時期 | 機能 | すること |
|---|---|---|
| 選考の前 | 採用要件の設計 | 求人票の必須要件・歓迎要件を下書きにして、NG要件と「特に見極めたい点」を足し、求人ごとの基準にする。設計チャットに相談すると直し方の案が出る |
| 選考の前 | 選考フローの設計 | 履歴書のほかに受けてもらうステップ(会社理解・ヒアリング・録画面接・逆質問)と、設問の量を3段階のうちから選ぶ。サンプルの履歴書で、出る設問を公開前に試せる |
| 選考の最中 | AI書類選考 | 候補者が上げた履歴書・職務経歴書を読み、NG要件に当たるかをその場で判定する |
| 選考の最中 | AI面接 | テキストの設問への答えに応じて、AIが掘り下げの質問を返す。録画面接では候補者が設問ごとに答えを録画する |
| 選考の最中 | 逆質問への自動回答 | 候補者が会社に聞きたいことに、あらかじめ入れておいた会社情報やFAQを使ってAIが答える |
| 選考の後 | 評価レポート | 受験が済んだ候補者ごとに、求人の要件をどこまで満たしているかをAIが見立て、一覧にA〜D・×の段階で示す |
| 選考の後 | 連絡の自動化 | 受験の完了を担当者にメールで知らせる。見送る候補者には、求人ごとに決めておいた文面で、お見送りのメールを一度に送れる |
採用要件の設計で整えた内容は、書類を判定するときと、候補者それぞれの設問を作るときの両方で使われます。最初に要件を整えておくことが、この2つの土台になります。
候補者から見た受験の流れ
候補者がすることは、会社から受け取った応募URLを開き、画面の案内に沿って進めることだけです。面接の日程を合わせる必要はなく、始める前に出るおおよその所要時間を見て、自分の都合のよいときに受けます。中身は、履歴書・職務経歴書の提出のあとに、会社がその求人に入れたステップ(会社理解、文章で答えるテキストヒアリング、設問ごとに答えを録る録画面接、会社への逆質問)が続く形です。「AI面接」という名前から画面の中のAIと話す形を思い浮かべるかもしれませんが、AIが答えの中身に応じて質問を重ねるのはテキストヒアリングの方で、録画面接では候補者が設問を読んで自分の答えを録り、その録画にAIが問い返すことはありません。ステップごとに画面がどう進むかといった、ゼロ秒採用の使い方の細かな手順は、ここでは省きます。
次の画像は説明のために作った見本で、実在の候補者の画面ではありません。上の順路に受験のステップが並び、7つ目まで済んで8つ目のテキストヒアリングにいるところです。最初の答えを受けて、AIから掘り下げの質問が1つ届いています。担当者の側では、受験が済んだ候補者の録画を文字起こしと並べて再生でき、テキストの設問に対する答えも要約と全文の両方を同じ画面で読めるので、受験の日時に関係なく、空いた時間に候補者の結果を確かめられます。

人に残る判断と、ゼロ秒採用が受け持たないこと
ゼロ秒採用を入れても、人の判断がなくなるわけではありません。判断が残るのは、選考の前と後の2か所です。
選考の前には、求人ごとに、書類の段階で足切りの印を付ける条件(NG要件)と、面接で深く聞きたいことを言葉にしておきます。AIはこの内容を、書類の判定と、候補者ごとの設問づくりに使います。ここに何を書くかで、足切りの印が付く人と、面接で聞かれることが変わるので、AIに任せる範囲が広いほど、この最初の決めごとの重みが増します。選考の後に残るのは、次の判断です。
合否を決めるのは、AIではなく担当者
AIが合否を決めることはありません。AIが作るのは、受験の内容を求人の要件に照らした評価までで、担当者はそれを材料として読み、候補者ごとに通過・採用・見送りを選びます。AI書類選考で「自動足切り済」の印が付いた候補者も一覧に残ったままで、その人を見送るかどうかを決めるのも担当者です。
評価は、結論の段階だけでなく、要件ごとの見立てとその理由まで開いて読める形で出ます。下の画像は説明用に作った見本の画面で、候補者の評価の段階、書類の自動判定の結果、答えの要点をまとめたサマリ、要件ごとの○・△・×とその根拠、GoodとBadに分けた評価サマリが写っています。右上の「採用判定」を押すと開くメニューから、通過・採用・見送りを担当者が選びます。AIの段階が低くても、理由と本人の答えを読んだうえで通過させる、といった判断は担当者に任されています。

二次面接に呼ぶ候補者については、評価の画面に「次の面接で聞くべきこと」の欄があります。一次面接に社内の人が立ち会わない分、二次面接の面接官に何を確かめてほしいかを伝えるときの材料になります。
見送ると決めた候補者への連絡も、担当者の操作から始まります。お見送りのメールはまとめて送れますが、担当者が送信の操作をしない限り、候補者には届きません。
ゼロ秒採用が受け持たないこと
受け持つのは書類選考と一次面接なので、その前後の仕事は社内に残ります。導入の前に、次の線引きを確かめておくと、思っていたのと違ったということが起きにくくなります。
- 応募を集めること: 求人の掲載や、応募を増やす働きかけは受け持つ範囲の外です。応募URLは会社から候補者に渡します
- 二次面接から先と、採用の判断: 会うべき人と向き合う面接と、採るかどうかの最終判断は人が行います
- 通過した候補者への連絡: 次の面接の案内や日程の相談は、担当者から候補者に連絡します
向いている会社・向いていない会社
ゼロ秒採用が合うかどうかは、業種よりも、応募の数と、一次面接にどんな役目を持たせたいかで分かれます。
向いている会社
- 応募が多く、書類に目を通すことと一次面接に、担当者の時間の大半を取られている
- 採用の担当が少ない、またはほかの仕事と掛け持ちしている
- 面接の日程がなかなか合わず、応募から一次面接までに日が空いてしまう
- 通す人と外す人の線引きを求人ごとに決めて、選考の物差しを社内でそろえたい
向いていない会社
- 応募が月に数件で、担当者がすぐに会って話した方が早い
- 一次面接の場で自社の魅力を伝え、志望度を高めることを重く見ている。この場合は、一次面接から自社の面接官が会う形が合います。外の面接官に任せる面接代行でも、この役目は社内の人ほどには果たしにくくなります
- 画面の上で候補者を評価の順に並べ替え、上から選んでいきたい。評価で並べ替える画面や候補者どうしを比べる画面はなく、一人ずつ結果を読んで決める作りです
どれくらい手間が減るかは、応募の数で大きく変わります。参考に、次の試算があります。
月300件の応募がある従業員200名規模の企業での試算では、書類確認から一次面接までの工程にかかる時間が、年2,472時間から年120時間になります。削減できるのは年間およそ2,350時間、人件費にすると470万円分です。
この試算のもとにした実際の値は、月300件の応募、書類選考の通過率20%、一次面接の面接官2名です。工程ごとの1件あたりの時間、1時間あたりの人件費2,000円、導入後に残る結果の確認1件2分は、試算のために置いた値です。導入した会社で測った実績ではありません。
| 月の応募数 | 書類確認から一次面接までの時間(年) | 減らせる時間(年) | 人件費にすると |
|---|---|---|---|
| 300件 | 2,472時間 | 約2,350時間 | 470万円分 |
| 100件 | 824時間 | 784時間 | 157万円分 |
| 50件 | 412時間 | 392時間 | 78万円分 |
| 30件 | 247時間 | 235時間 | 47万円分 |
月300件以外の行は、応募数だけを変えて同じ前提で計算した値です。
応募が少ないほど、減らせる時間も小さくなります。表の中から自社の月の応募数に近い行を見て、入れる価値があるかの目安にしてください。表の時間は書類確認から一次面接までの分で、二次面接や採用の判断にかかる時間は含まれていません。
始め方のあらまし
ゼロ秒採用の使い方は、大きく分けると次の4段階です。
- 求人を作り、求人票から下書きされた採用要件に、NG要件と「特に見極めたい点」を足して整える
- 選考で使うステップを選んで設問の多さを決め、見本の履歴書を読み込ませて、どんな設問が出るかを確かめる
- 応募URLを候補者に渡す
- 受験を終えた候補者の評価を読み、通過・採用・見送りを選ぶ
選考の中身は求人ごとに決めるので、まず1つの求人で流れを作り、出る設問を確かめてから候補者に案内すると、聞きたいこととのずれに早く気づけます。
よくある質問
AIが採用・不採用を決めるのですか?
決めません。AIが出すのは評価とその理由までで、通過・採用・見送りを選ぶのは担当者です。詳しくは上の「合否を決めるのは、AIではなく担当者」の節をご覧ください。
いま使っている採用管理システムとつなげられますか?
いいえ。今は、採用管理システムなどほかのツールと連携する機能はありません。応募者の情報を採用管理システムでまとめている場合は、書類選考と一次面接をゼロ秒採用で進め、通過させた候補者をこれまでの方法で次の選考に乗せる形になります。
候補者の質問にAIが答えられないときはどうなりますか?
AIが答えなかった質問は、担当者が見る「保留質問への対応」という画面にたまり、そこで担当者が回答を書きます。書いた回答を保存すると、その求人のFAQの1つになり、あとから同じことを尋ねた候補者には、AIがその回答を使って答えます。ただし、質問した本人へ回答を届ける仕組みではないので、本人に返事が要るときは担当者から直接連絡してください。
まとめ
- 書類選考と一次面接はAIが進め、候補者は会社が渡した応募URLから好きな時間に受ける
- 機能は7つ。選考の前に要件と流れを決め、最中はAIが書類の判定・掘り下げの質問・逆質問への回答を受け持ち、後はAIが評価と要約をまとめる
- AIの評価は判断の材料で、通過・採用・見送りを決めるのは担当者
- 応募集め、二次面接から先、通過した人への連絡は受け持つ範囲の外で、社内に残る
- 応募が多く担当者の手が足りない会社ほど効き、応募が少ない会社や一次面接で口説きたい会社には向きにくい
ゼロ秒採用は、人の判断をAIに置き換えるものではなく、判断の前にある書類の確認と一次面接の手間を引き受けるものです。自社の採用で担当者の時間がどの工程に使われているかを書き出し、その多くが書類選考と一次面接にあるなら、使う価値があるかを確かめてみてください。

